再生可能エネルギーに再び注目 エネルギー危機影響
中東情勢の緊迫でエネルギー安全保障への関心が高まっています。そんな中、燃料を輸入せずに発電できる太陽光や風力発電などの再生エネルギーに注目が集まっています。
(本記事は、公開情報に基づく分析および筆者の見解を示したものであり、その正確性や完全性を保証するものではありません。株価や企業の将来を保証せず、また特定の政治的立場や政策を支持・推奨する意図も一切ありません。投資判断や経済的判断は、ご自身の責任で行ってください。)目次
今週の決算情報
再生可能エネルギーに再び注目 エネルギー危機影響
中国の太陽光輸出が急増
再エネブームの注意点
押さえておきたい再エネETF
今週の決算情報
今週は米国株市場にとって重要な決算の週です。
4月29日(水)にはMicrosoft($MSFT)、Alphabet($GOOGL)、Amazon($AMZN)、Meta($META)が決算を発表予定。
4月30日(木)にはApple($AAPL)が続きます。
大型テック企業の業績やAI投資の見通しは、株式市場全体の方向感に大きく影響しそうです。
今週はS&P500構成企業の3分の1超が決算を発表する予定とされており、再エネだけでなく、マーケット全体の値動きにも注意したい週です。
再生可能エネルギーに再び注目 エネルギー危機影響
中東情勢の緊迫化する中、世界のエネルギー市場で再び注目を集めているテーマが「再生可能エネルギー」です。中東情勢による原油・天然ガス価格は上昇。ロイターによると、米イラン和平交渉の停滞やホルムズ海峡をめぐる供給不安を背景に、ブレント原油は一時1バレル107ドル台まで上昇しました(*1)
このような局面では、石油や天然ガスに依存する国ほど燃料価格の高騰や供給不安にさらされます。そこで改めて見直されているのが、太陽光や風力などの再生可能エネルギーです。
本記事では、なぜ今この分野に資金と関心が戻っているのかについて、わかりやすく整理します。
再生可能エネルギーに再び注目集まる
再生可能エネルギーというと、少し前までは「脱炭素」や「環境対策」の文脈で語られることが多かったと思います。しかし、今起きている変化はそれだけではありません。むしろ大きいのは「エネルギー安全保障」としての再評価です。
原油や天然ガスは、採れる場所が限られています。中東やロシアなど、特定地域の情勢が不安定になると、今回のように世界中の価格に一気に影響が出ます。
一方、太陽光や風力は一度設備を作れば燃料を輸入する必要がありません。もちろん天候に左右される弱点はありますが、蓄電池や送電網と組み合わせれば、燃料価格の急騰に振り回されにくい電源になります。
つまり、再エネは「環境にやさしい電源」から「自国でエネルギーを確保するためのインフラ」へと意味合いが広がっているわけです。
イラン戦争によるエネルギー供給不安や高い燃料価格が、東南アジアやアフリカで中国製太陽光パネルの需要を押し上げたと報じています(*2)。 これは再エネが単なる理想論ではなく、現実の危機対応策として見られ始めていると言っていいかもしれません。
中国の太陽光輸出が急増
最近目立つのが、中国の太陽光関連製品の輸出急増です。
エネルギー調査機関Emberによると、中国の太陽光製品輸出は2026年3月に68GWへ達し、前月比で倍増しました。これは過去最高水準で、スペイン全体の太陽光発電能力に匹敵する規模だと報じられています(*3)
ここで大事なのは、中国から出ているのが完成品の太陽光パネルだけではないという点です。太陽電池セルやウエハーといった部材の輸出も増えており、世界各国が自国内で太陽光産業を育てようとしている様子がうかがえます(*4)。
Climate Change Newsによると、2026年3月には50か国が中国からの太陽光輸入で過去最高を記録し、アフリカ向け輸出は前月比176%増、アジア向けも倍増しています(*5)。
これまでエネルギーの主役は、油田やガス田を持つ国でした。しかし太陽光や蓄電池の時代になると、主役は資源国だけではありません。パネルを作る製造力、蓄電池を量産する技術、送電網を整えるインフラ力が重要になります。
英ガーディアンは、今回のエネルギー危機によって、米国の石油と中国の太陽光産業がそれぞれ恩恵を受けていると指摘しています。中国は再生可能エネルギー市場で大きな存在感を持ち、世界のエネルギー秩序が「石油中心」から「電力と技術中心」へ移りつつあるという見方をしています(*6)。
再エネブームの注意点
一方で、投資家としては少し冷静に見ておく必要があります。
太陽光パネルは供給過剰になりやすい産業です。中国メーカーは大規模な生産能力を持つため、需要が増えても価格競争が激しく、利益率が改善しにくい構造があります。
ロイターも、戦争による再エネ需要の増加だけでは中国の太陽光業界の過剰供給問題は解消しないと報じています(*7)。
また、再エネは金利にも敏感です。太陽光や風力の発電所は初期投資が大きく、金利が高い局面では資金調達コストが重くなり採算が悪化しやすくなります。政策支援の変更や関税、部材価格なども株価に影響します。
国際エネルギー機関(IEA)は、中国では太陽光と陸上風力が、新たに発電設備を増やすうえでガス火力などよりも安い選択肢になっていると分析しています(*8)。つまり「新しく電源を作るなら再エネが最もコストが低い」という状況です。
再エネは短期的には株価の波が大きくても、長期的には構造的な需要がある分野と言えそうです。
押さえておきたい再エネETF
今回のテーマに沿ったETFをみてみましょう。
太陽光関連に絞るならInvesco Solar ETF($TAN)が代表的です。中国の太陽光輸出急増や、各国の燃料不要の電源を求める流れに最も近いETFと言えます。
一方、太陽光だけでなく風力などクリーンエネルギー全体に広く投資したい場合は、iShares Global Clean Energy ETF($ICLN)が選択肢になります。
今回のポイントは、再生可能エネルギーが「環境テーマ」から「安全保障テーマ」へと意味合いを広げていることです。原油や天然ガスの価格が上がるたびに、各国は燃料を輸入しなくて済む電源の重要性を再認識します。その受け皿になるのが、太陽光や風力などです。
もちろん、関連ETFも金利や政策、過剰供給の影響を受けやすく、短期的には値動きが大きくなる可能性があります。それでも、エネルギー危機が起きるたびに再エネの重要性が再確認される構図は、今後も続くかもしれません。投資家としては、$TANや$ICLNのようなETFを通じて、どの範囲までリスクを取るのかを見極めたいテーマですね。
参考文献
(*1)Reuters, “Chips carry stocks higher; Oil jumps on stalled peace talks”
https://www.reuters.com/business/energy/global-markets-global-markets-2026-04-26/
(*2)Reuters, “Africa, Southeast Asia drive China solar panel exports to record in March”
https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/africa-southeast-asia-drive-china-solar-panel-exports-record-march-2026-04-22/
(*3)Ember, “Chinese solar exports double in a month to hit record high amid energy crisis”
https://ember-energy.org/latest-updates/chinese-solar-exports-double-in-a-month-to-hit-record-high-amid-energy-crisis/
(*4)Ember, “China’s Solar PV Export Explorer”
https://ember-energy.org/data/chinas-solar-pv-export-explorer/
(*5)Climate Change News, “China’s solar exports reach ‘gigantic’ record in March as energy crisis bites”
https://www.climatechangenews.com/2026/04/23/chinas-solar-exports-reach-gigantic-record-in-march-as-energy-crisis-bites/
(*6)The Guardian, “The great energy pivot: US oil and Chinese solar are the winners in Trump’s war on Iran”
https://www.theguardian.com/business/2026/apr/26/more-than-oil-prices-iran-war-threatens-to-reshape-global-energy-order
(*7)Reuters, “China solar makers say war-induced renewables demand won’t fix overcapacity”
https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/china-solar-makers-say-war-induced-renewables-demand-wont-fix-overcapacity-2026-04-16/
(*8)International Energy Agency, “Renewable electricity – Renewables 2025 – Analysis”
https://www.iea.org/reports/renewables-2025/renewable-electricity
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